DAO

【完全初心者向け】DAOってなに?基礎知識と具体例を徹底解説

こんにちは。Web3 JAPAN編集部です。今回は「DAO」について徹底解説していきます。

 

近頃「DAO」という言葉をよく聞くようになって、次のように感じていませんか?

  • 結局DAOってなに?調べてみたけど、よくわからない
  • DAOが世の中にどんな影響を与えるの?
  • DAOの意味をわかりやすく教えてほしい!

 

そこで本記事では、次の内容で「DAO」を徹底解説します!

  • DAOとは
  • DAOの定義
  • 究極のDAOとは
  • DAOを支えるブロックチェーンとは
  • DAOの意思決定方法
  • DAOの特徴【株式会社との違い】
  • DAOの具体例
  • DAOが抱える課題
  • DAOが求められる意味と未来

 

はっきりお伝えするとDAOを理解するのは、簡単ではありません。なぜなら、定義があいまいではっきりと「これがDAOだよ!」と言い切れる存在がないからです。

 

しかし、これから間違いなく「DAO(と呼ばれる組織)」が増えていくDAOブームが起きるので、DAOを理解しておくと今後の世界の変化を素早く察知できるでしょう。

 

本記事では「DAOって言葉をはじめて聞いた!」という方にも理解できるように、わかりやすく解説していきます。DAOを勉強したい方はぜひ最後までご覧ください。

 

ただ「どうしてもよくわからない!」という方は、次のことだけでも覚えておきましょう。

DAOとは

暗号資産テクノロジー(ブロックチェーン)が生んだ新しい組織の形

少しワクワクしてきませんか?上記を理解しておけば、ひとまずOK。

 

ここでもう納得できた方は、以降を読む必要はありません。一方で「何それおもしろそう」と感じていただけた方は、ぜひ本文も読んでみてくださいね!

 

では、内容をみていきましょう!

 

DAOとは

「DAO」をもっとも端的に表現した記述があったので引用します。すると、下記のとおり。

暗号資産ウォレットを共有・管理するオンラインコミュニティ

(引用元:ARAGON「What is a DAO?」

 

以上がDAOです。オンラインコミュニティとは、DiscordやSlackもそうですし、グループLINEもそう。各人がつながっていれば、そのようなチャットルームも不要です。

 

暗号資産ウォレットとは、MetaMaskのような暗号資産を管理できるお財布ですね。

 

グループLINEのようなコミュニティで、共通した暗号資産ウォレットを持っていればDAOになります。

 

なんとなくイメージできたでしょうか?ただ上記は正確な定義ではなく、理解しやすいようにシンプルに表現したDAOです。

 

そこで、以降でより詳細な「DAO」の定義を解説していきます。

 

が、わからなくなったら「DAOとは暗号資産ウォレットを共有・管理するオンラインコミュニティ」という定義に戻ってくださいね!

 

DAOの定義

改めて「DAO」とは「Decentralized Autonomous Organization」の略で、日本語では「自律分散型組織」となります。言葉を分けると、次のとおり。

  • D(Decentralized):分散して
  • A(Aoutonomous):自律している
  • O(Organization):組織

これだけだとよくわからないと思うので、それぞれの言葉を説明しつつ「DAO」 の定義を掘り下げていきます。

 

D(分散している)とは

「D(分散している)」とは散っている、つまり集まっていないということ。

「DAO」の文脈での「D」には、次の2点が含まれます。

  • 絶対的なリーダーがいない
  • 組織のメンバーが世界中にいる

 

すると「DO(分散型組織)」は、あらゆるところにあることに気づきます。

  • 複数人でのZoom飲み会
  • リモートワーク中のZoomミーティング
  • スマホゲームのオンラインチーム

 

エヴァンゲリオンをご存知の方なら「ゼーレ」のミーティングの様子は「DO」らしいですね(ただ明確なリーダーはいそう)。

 

世界中に支社や支店のある会社もある意味では「分散」していますが、そこには社長などのリーダーがいますし人材雇用もまだまだ閉鎖的です。

 

「DAO」は分け隔てなく、世界中から人材を集められます。

 

「DO」が「A(自律している)」と「DAO」になります。

 

A(自律している)とは

「A(自律している)」とは、「自分(たち)の仕組みやルール、プログラムで動いている」ことを指します。なんとなくフワフワしていて、どうとでも捉えられる意味ですよね。

 

「え、それなら会社とかもそうじゃん?」と感じたかもしれませんが、ポイントは「Autonomaus」の「Auto」です。「Auto」とは日本語で「自動」。

 

つまり「DAO」の「A(自律)」とは、「自分(たち)の取り決めたルールや仕組みが、自動で執行されること」となります。

 

そして「自動的なルールの執行」を実現できる技術が「スマートコントラクト(自動契約)」です。

スマートコントラクトとは?

ブロックチェーン上で、ある特定の前提条件を満たしたときに、取引やイベントを実行するプログラムのこと

 

たとえばブロックチェーン上に「2022年2月になったらAさんに暗号資産を支払う」とプログラムしておけば、そのように実行されるわけです。

 

まとめると「DAO」の「A」とは「スマートコントラクトによって組織のルールや取引、活動などが実行されること」を指します。

 

会社のルール適用は、原則、人の手で行っていますよね。そこがDAOとの決定的な違いです。

 

O(組織)とは

念のため「O(組織)」を説明しておきます。「O」とはつまり人の集合体ですが、そこには次の2点が必要になります。

  1. 共通の目的・目標
  2. 何かしらのインセンティブ(金銭的もしくは精神的報酬)

 

組織とは、達成したい目的・目標があるから成り立ちます。目的のない人の集まりは「群衆」です。

 

そして目的・目標があっても、その達成に向けたインセンティブがないと組織は機能しません。活動してもお金はもらえないし楽しくすらない組織で、誰も活動しようと思いません。

 

そのため、組織には「目的・目標」と「インセンティブ」が必要です。

 

DAO(自律分散型組織)とは

ここでようやく「DAO」の定義が見えてきました。上記の「D」「A」「O」のそれぞれの解説をまとめると、次のようになります。

DAOとは

世界中にいるメンバーで構成され、リーダー不在で各人が共通の目的・目標を達成するためにブロックチェーン(スマートコントラクト)で決めたルールに則り役割を果たす組織

そしてDAOの基本的なインセンティブは、DAOで発行されている暗号資産(トークン)です。

 

上記の定義を図にすると、次のイメージでしょうか。

 

ちなみに元CoinbaseのプロダクトマネージャーのLind Xie氏の記事にも、DAOの定義について次のような表現がありました。

DAO(自律分散型組織)とは、ブロックチェーン上で実施される共有ルールによって調整される、ミッションを実現させるために組織されたグループ

(引用元:「A beginner’s guide to DAOs」)

 

以上が「DAO」の定義です。

 

究極的なDAOとは

「DAO」の定義がわかっても、具体的にどのようなものが「DAO」なのかがわかりにくいと思います。

 

世界中にはたくさんのDAOがありますが、究極的なDAO(もっともDAOらしい存在)は次の2つです。

  1. ビットコイン(BTC)
  2. イーサリアム(ETH)

それぞれ、解説していきますね。

 

その①:ビットコイン

ビットコインはDAOといえます。その理由は、ビットコインが生み出される仕組みにあります。

 

ビットコインは今や世界中で取引されているため、その取引データは膨大です。そのため、世界中の人がその情報を整理しまとめています(マイニング)。

 

そして情報整理を、どこかのリーダーが指揮しているわけでもありません(「D」)。

 

その情報の整理作業には膨大なエネルギーと労力が必要なので、とうてい無報酬ではやってられません。

 

そこで情報整理をしてくれた人(マイナー)に、報酬として新たに生み出されたビットコインが支払われます。

 

マイニングの仕組みはすでにブロックチェーン上にプログラムされているので、自律的に行われます(「A」)。

 

そのためビットコインは、次のようにDAOの定義にあてはまっていると言えるでしょう。

  • D:マイナーが世界中におり、明確なリーダーがいない
  • A:ブロックチェーンのプログラムによって、ルールが自動執行される
  • O:ビットコインの情報整理をして、システムを維持させ報酬をもらう

 

ちなみにビットコインの仕組みを考案したのはサトシ・ナカモトと呼ばれる架空の存在です。

 

が結局、ビットコインを生み出したのはサトシ・ナカモトの論文を読んだ世界中にいるプログラマーでした。つまりビットコインは立ち上がりから、DAO的だったんですね。

 

ちなみに、つい最近までマイニングの大部分を中国企業がおさえていました。

 

しかし2021年に中国はビットコインをはじめ、国内での暗号資産の利用を全面的に禁止しました。

 

そのため「中国に支配されたビットコイン」のリスクは、現時点ではなくなっています。

 

その②:イーサリアム

イーサリアムとは、ビットコインと並んで世界中で取引されている「暗号資産」および「ブロックチェーンネットワーク」のことです。

 

イーサリアムはヴィタリック・ブテリン氏という方が考案しました。

 

イーサリアムもビットコインとほぼ同じようなマイニングの仕組みを持っているので、DAOといえます。

 

ただビットコインと違うのは、イーサリアムはDAOの構築を可能にした最初のブロックチェーンという点です。

 

なぜならイーサリアムには「スマートコントラクト」の仕組みが実装されているからです。

 

ざっくりいうと「イーサリアムブロックチェーン上で、好きなプログラムを組み込んでいいでよ」ということ。

 

その仕組みを使って、今までさまざまなDAOが生み出されてきました。

 

DAOを支えるブロックチェーン

正直にお伝えすると「DAO(自律分散型組織)」を作るのは、かなりむずかしいです。

シンプルに「リーダー不在で世界中にメンバーがいて、ルールや取り決めが自動で執行される組織」なんてありえません。

 

そう、ブロックチェーンが生まれるまでは。「DAO」はブロックチェーンが誕生したからこそ、可能になった組織形態です。

 

そこで簡単に、ブロックチェーンの解説をしておきます。

ブロックチェーンとは「絶体的な管理者のいない、すべてのユーザーがデータを共有・管理しあうデータ記録ネットワーク」です。

 

取引データのまとまりを意味する「ブロック」を、チェーンのようにつなぎ合わせるようにデータを保存することから「ブロックチェーン」と呼ばれています。

ブロックチェーンはすべてのユーザーが管理者になることから日本語で『分散型管理台帳』とも呼ばれています。

 

ポイントは「絶対的な管理者がおらず、すべての人にデータが共有・管理されている」ということ。そのため、ブロックチェーンには次のような特徴があります。

  • 不正・改竄が実質不可能(データの信頼性が担保される)
  • システムエラーが実質起きない
  • すべてのデータを誰もが閲覧できる(透明性が高い)
  • データの共有を瞬時にできる
  • スマートコントラクトでルールや取り決めを自動執行できる

 

これまでの情報は、すべて中央集権的に管理されていました(たとえば銀行の顧客や決済データなど)。

そしてデータの取り扱いは、法律などによって厳しく統制されています。

 

しかしブロックチェーンなら、中央集権的な管理者もデータ取扱の法律も不要です。なぜなら管理者や法律がなくても、情報を信頼でき不正利用・改竄ができないから。

 

このようにしてブロックチェーンのおかげで「DAO(リーダー不在で世界中にメンバーがいて、ルールや取り決めが自動で執行される組織)」が成り立ちます。

 

DAOの意識決定の方法

ここで、「でも、組織の方向性や意思決定ってどうやってするの?」と感じたかもしれません。

 

たしかにリーダー不在でみんなが横並びの組織では、意見がまとまらず意識決定がうまくいかなそうですよね。

 

そこでDAOのほとんどでは「ガバナンストークン」を使って投票権を分け与えています。

ガバナンストークンとは

DAOなどの分散的な組織・サービスなどの運営について、その関係者が投票権を得るためのトークン

 

基本的には多くのガバナンストークンを持っている人に、多くの投票力が与えられます。またガバナンストークンを手に入れる方法は、DAOによって異なります。

 

✔️ビットコインの意思決定はマイニンシェア

究極のDAOであるビットコインでは、ガバナンストークンを利用はしていません。

 

が、「どれだけ情報整理をしているか(マイニング)」で、ビットコインの方向性を決める発言権を持っています。

 

つまりマイニングシェアが、ガバナンストークンの代わりになっているんですね。

 

だから中国がビットコインのマイニングシェアの65%ほどを占めていたときは「ビットコインが実質中国に支配されるのでは?」という「中国リスク」がありました。

 

上記のようにビットコインでは、マイニングシェアが、ビットコインの方向性を決める投票権になります。

 

ビットコインの他のDAOでは、たいていマイニングはないので、ガバナンストークンの保有量で投票権を決めているのです。

 

DAOの特徴【株式会社との違い】

ここまでDAOの定義についてお伝えしてきました。ここで「結局DAOとはどのような組織なのか」ということで、DAOの特徴をまとめていきます。

 

現行の組織の代表例として株式会社と比較しながら、次の表にまとめていきますね。

DAO 株式会社(従来の組織)
リーダー・管理者 いない いる
組織構造 横並び ヒエラルキー(縦型)
意思決定権 ガバナンストークン 株式
人財登用 ボーダーレス
(国籍・性別・学歴関係なし)
ボーダーあり
(国籍・学歴・男女比など)
保有データの透明度 高い 低い
メンバー間のつながり ゆるい タイト
報酬 暗号資産
(独自トークン)
法定通貨

 

上記の通りです。DAOはこれまでにない、新しい挑戦的な組織だということがわかるはずです。

 

DAOの特徴のなかで特に革命的なのが、学歴・性別・国籍など関係なく加入できることです。

 

もちろんそれぞれのDAOによって加入条件は異なるでしょうが、これまでの組織のように画一的な線引きはありません。

 

基本的には「DAOにどれだけ貢献できるか」という完全実力主義によって加入の可否が決められるでしょう。

 

DAOの具体例5つ

実はDAOと呼ばれる組織は、上記のようにたくさんあります。しかし、ビットコインやイーサリアムに並ぶほどのDAOらしいDAOはありません。

 

つまり完璧なDAOはほとんどありません。まだまだ中央集権的だったりリーダーがいたりする組織でも 、DAOとして活動しています。

 

そこがDAOの理解のむずかしいところでもあり、DAOを作る困難さを物語っています。とはいえDAOの思想やあり方に共感して、DAOを真剣に目指す組織もたくさんあります。

 

そこでここでは、次のDAOの定義(究極のDAO)は一度無視して、

世界中にいるメンバーで構成され、リーダー不在で各人が共通の目的・目標を達成するためにブロックチェーン(スマートコントラクト)で決めたルールに則り役割を果たす組織

 

冒頭でお伝えした次のDAOの定義(ゆるいDAO)を使って、今あるDAOを紹介していきますね。

暗号資産ウォレットを共有・管理するオンラインコミュニティ

(引用元:ARAGON「What is a DAO?」

 

本記事で紹介するのは、次の5つです。

では、それぞれ紹介していきます。

 

その①:BitDAO

BitDAO」とは「Bybit」という暗号資産取引所が主導する投資系のDAOです。主導組織がいる時点で、DAOかどうか怪しいですがひとまずDAOです。

 

BitDAOの事業内容は、投資家から資金を集めて、その資金を有望なDeFiプロジェクトに投資するというもの。

 

DAOであるため、管理者不在で投資取引が完了するのが特徴です。

 

ちなみにすでに巨額の資金が集まっており、2.5億ドル(3000億円)ほどの資金が集まっています。

 

将来的にはすべての投資判断や投資家への資金分配を、スマートコントラクトで実施するのを目指しているのではないかと予想できます。

 

またBitDAOは「BIT」というガバナンストークンも発行しています。

 

その②:Ninja DAO

Ninja DAO」はインフルエンサーのイケハヤさん(@IHayato)が運営するDAOです。事業内容としては、いわゆる「キャラクタービジネス」です。

 

イケハヤさんがプロデュースしている「CryptoNinja」のNFTを盛り上げるためのDAOと言えます。

 

特徴的なのが「CryptoNinja」の2次創作がOKで、しかも商用利用ができること。つまり「CryptoNinja」をモチーフにして自己流の「CryptoNinja」を作って売りに出していいということ。

 

他にも、次のような活動が精力的に行われています。

  • CryptoNinjaのアバター作成
  • CryptoNinjaのストーリー作成
  • スタンプ作成
  • クリプトリテラシー検定

 

日本国名で、最も親しみやすくDAOを体感しやすいDAOです。

 

Ninja DAOのコミュニティは誰でも気軽に参加できるので、この機会にどうぞ。ちなみにすでに1万人以上の方が参加しているようです。

 

こちらから数分かつ無料で参加できます。

Ninja DAO

 

その③:Yield Guild Games(YGG)

Yield Guild Games」は、「Play-to-Earn(ゲームで遊んで稼ぐ)」を目的にしているゲーマが集まるDAOです。

 

「ブロックチェーンゲーム一緒にプレイして稼ぐ」ことをコミュニティコンセプトにしています。

 

具体的にYGGが実施しちえる事業は次の通り。

  • ゲーム内で使えるNFTの貸し出し
  • YGGトークンの発行
  • 資金の準備ができない人向けの奨学金プロジェクト

 

YGGトークンはガバナンストークンですが、それ自体を複利運用して増やすこともできます。

 

魅力的なのがブロックチェーンゲームで稼ぎたいけど、初期費用を準備できないゲーマーに奨学金としてNFTを貸し出してくれること。

 

国によっては実際の労働よりも稼ぎやすいブロックチェーンゲームで生計を立てようとする人が増えているので、その動きの後押しになりますね。

 

今後の発展が期待されるゲーム系DAOです。

 

その④:FlamingoDAO

Flamingo DAO」は、資金を集めてNFTに投資するDAOです。「BitDAO」のNFT特化版ですね。

 

2021年に「CryptoPunk 2890 One of 9 Alien punks」という当時「605ETH(8,600万円ほど)」の超高額NFTを購入したことで有名になりました。

 

とはいえ「Flamingo DAO」は、誰でも参加できるわけではなく、かなりクローズドなプライベートDAOと言えます。

 

条件として、次のとおり。

  • メンバー最大100名まで
  • 身元確認あり
  • 年収による線引きあり

 

入るのはむずかしそうですが、NFT界隈で注目されているDAOです。

 

その⑤:AAVE

AAVE」とは、暗号資産のレンディングサービスを展開するDAOです。

 

AAVEを活用することで暗号資産を担保に借金したり、逆に暗号資産を貸して利子を得たりできます。

 

いわゆるDeFi(分散型金融)サービスで、中央集権的な管理者を介さずに、個人と個人が直接金融のやりとりをしています。

 

AAVEにはDiscordコミュニティと「aToken」という独自トークンがあり、AAVEの方向性について議論に参加する権利を得られます。

 

DAOが抱える課題

具体的なDAOとしてビットコインとイーサリアムの他に、現行でDAOとして運営されている組織を5つ紹介してきました。

 

しかしまだまだDAOには課題があり、主なのは次の3点です。

  1. 自律分散的ではない
  2. ハッキングリスクがある
  3. 法整備が追いついていない

それぞれ、解説していきます。

 

その①:自律分散的ではない(完璧なDAOじゃない)

現行のDAOとして5つのサービス・プロジェクトを紹介しましたが、すべてに共通する課題として「自律分散的ではない」点があります。

 

どれも中央集権的な「運営組織」があり、サービスも自律的に行われていません。

 

たとえば「BitDAO」には「Bybit」という運営主体がありまし、投資利益の分配などもスマートコントラクトで行われているわけではありません。

 

他にもガバナンストークンを発行しているとはいえ、その大半を運営側が保有することで実質的にサービスを牛耳るようなDAOプロジェクトもあります。

 

分散型組織を目指しつつ、中央集権性が強い組織ができてしまうという矛盾が起こっているわけです。

 

そこで「DAOとして組織形成した後に運営者が解散するというDAO」も現れてきました。

 

たとえば「MakerDAO」。

MakerDAOとはDeFiプロジェクトを運営するDAOで、ステーブルコイン「DAI」の発行やレンディングプラットフォームの提供をしています。

 

MakerDAOはもともとメーカー財団(Maker Fundation)が運営していましたが、自律分散を守るために解散しました。

 

DAOとはあくまでも組織なので、初期のころは特に自律分散しにくい構造になっています。

ビットコインでさえも、初期は少数の開発者で運営されていたため、自律分散からは遠かったはずです。

 

このようにDAOの性質上、少しずつ自律分散を進めていくといった形が自然です。

 

その②:ハッキングリスクがある

株式会社にも言えることですが、DAOにもハッキングリスクがあります。

 

なぜ、ハッキングリスクをわざわざ取り上げるかというと、「The DAO事件」という巨額の資金が盗まれる事件があったからです。

 

✔️The DAO事件

「The DAO」とは2016年にスタートして投資系のDAOプロジェクトで、投資家から資金を集めてベンチャーキャピタルに投資することを事業内容にしていました。

 

本来の投資ファンドはファンドマネージャーが作った投資商品を投資家が買うのが通常ですが、「The  DAO」では発行されたトークンの保有者が投票を行い多数決で投資先を決めていました。

 

当時すでに「1,150万ETH」ほどの資金を集めていましたが、ハッキングされ364万EHTが盗まれる事態になったのです。この事件により、DAOか解散。

 

そしてイーサリアムはブロックチェーン上でこの事件がなかったこととしてプログラムを書き換え、新しい「イーサリアムクラシック」というコインを生むことになりました(ハードフォーク)。

 

それぞれのDAOの安全性を高めることが求められます。

 

その③:法整備が追いついていない

DAOという新しい組織形態に対して、法整備はまだ整っていません。

たとえば次の感じ。

  • DAOは法律上どのような人格の組織になるのか?個人?法人?
  • DAOの利益には、どのように課税されるのか?

 

DAOは組織であるため、その社会に与える影響は計り知れません。

が、その扱いをどのようにするのか法律ではまだほぼ何も決まっていないのです。

 

法整備も追いつかない新しすぎる組織=DAOです。

 

ちなみに個人が独自トークンを発行して、それを譲渡するのはOKですが、なんと売ると違法行為になるとのこと。

 

法整備は待つしかありません。

 

DAOが求められる意味と未来

ここまでの解説を聞いて「でも、別にDAOにこだわる必要なくない?」と感じた方もいるかもしれません。

その指摘は、ある意味最もで、別に株式会社でもDAOと同じ事業はできるでしょう。

 

しかしDAOが盛り上がっているのは、求められる意味と世の中を変えうる可能性があるからです。

 

そこでここでは、DAOが求められている意味とDAOがもたらす未来を解説していきます。

 

DAOが求められる意味

DAOは今、アメリカを中心として盛り上がっており、日本でもビジネスライクなバズワードとして扱われています。

 

しかし、DAOを必要としている人は世界中にたくさんいます。たとえば世界には、会社について次のような問題のある国があるんです。

  • 女性という理由で就職できない
  • 就職しても女性の立場が弱い
  • 学歴がないため就職できない
  • 家の収入が少なく社会的地位が低いから就職できない
  • 地理的な理由から、就職先の選択肢が狭い
  • 会社を立ち上げるために莫大な資金が必要
  • 法人化するのに何ヶ月、何年も書類の準備などをする必要がある

 

今のシステムは「会社に就職したい」「起業したい」と感じている人々全員が、恩恵を受けられるものではないのです。

むしろ、不都合な問題をたくさん抱えています。

 

たとえば日本でも女性の会社での立場は、まだまだ男性より弱い傾向にありますよね。

 

しかしDAOなら

  • 学歴・性別・国籍・地位・居住地域に関係なく世界的な組織を立ち上げられる
  • 政府への届け出や資金の支払いもいらない
  • 採用にも学歴・性別・国籍・地位・居住地域が関係ない

 

上記のような組織づくりを実現できるんです。

 

より世界は流動的になり、これまで学歴や性別、国籍、地位、地域などによって日の目をみなかった才能がどんどん活躍していくことになるでしょう。

 

広く個人の活躍の場を設け、さらに世界を発展させるためにDAOは必要とされているのです。

 

DAOがもたらす未来

以上をふまえて、DAOがもたらす未来は次になります。

  • 超流動的な人財登用
  • 完全実力主義
  • 人手が不要なサービス

 

その①:超流動的な人財登用

DAOには学歴も性別も地位も地域も関係なく、加入できます。

 

そして複数のDAOに加入することもできます。

 

たとえば日本の会社は、ひとつの会社に入ったら原則、他の会社に入れません。

が、DAOならあるDAOに参加しながら他のDAOに参加するのもありです。

 

これまでの会社では活躍しにくかった個人が、DAOによって登用されやなるでしょう。

 

その②:完全実力主義

超流動的な人財登用と被りますが、DAOは学歴や性別など関係ないぶん、すべて自分の実力によって活躍の場が決まります。

 

実力とは関係ないことによる区別がなくなるので、DAOでは実力にもとずいた公平な機会を得られるでしょう。

 

その③:経営の自動化

DAOはスマートコントラクトで自律的な運営が前提となっているため、プログラムによってはサービス内容も人手いらずで自動で行われる場合もあります。

 

そこで参考になるのがヴィタリックしがまとめた、ブロックチェーンやAI、ロボットが発展していくなから、どのように組織のあり方が変化するかについての次の表です。

 

(引用元:「DAOs, DACs, DAs and More: An Incomplete Terminology Guide」)

 

 

わかりやすくすると、次の通り。

自動労働 人手労働
自動経営 AI DAO
人手経営 ロボット 従来の組織

 

つまり運営組織が自動化され、人が働くのがDAOですね。

 

ちなみに今後ブロックチェーン、AI、ロボットはますます発展し、徐々に人手に頼っている会社のような組織は減少していくと想像できます。

 

まだ実感がないかもしれませんが、今後、どのように組織で働くかの判断が重要な時代が来るでしょう。

 

それまでにDAOについての理解を深めておくの先決です。

 

補足:うまくいくDAOの条件とは

ちなみに今後は、DAOを冠した組織が増えていくと予想されます。そしてその流れであなたもDAOを作る可能性もあります(いえ、きっと作ることになるでしょう)。

 

そこで「どのようなDAOがうまくいくか」について、興味深い意見があったので紹介しておきます。

 

その意見とは、Ninja DAOを運営しているイケハヤさんがご自身のnoteで言及したもので、ここに引用してます。

今見えている範囲でDAOと相性がいいといえる条件は、

参加者が、

・パーミッションレス(許可を得る必要なく)に
・コミュニティのリソース(ブランド、人材、素材、ファンド、顧客基盤など)を使って
・経済的な利益あるいは精神的な満足を得る機会がある

という感じなのかな〜と思ってます。

ポイントは「パーミッションレス」であることです。

参加者がDAOを通して、何らかの利益・満足を得るために、第三者の許可が必要な場合は、それたぶんDAOじゃないほうがいい気がしています。

補足的には、参加者が利益を得れば得るほど、コミュニティのリソースが豊かになっていく、という構造も重要ですね。

(引用元:「【徹底解説】DAOってなんだお?〜課題と未来」)

 

ざっくりいうと「DAOの参加者はDAOにあるものを許可なくすべて使っていいよ〜」ということですね。

 

そうすることでDAOの参加者にインセンティブが働いて、組織活動の活性化になるということだと思います。

 

Ninja DAOは間違いなくパーミッションレスにDAOのリソースを活用でき、その証拠にCryptoNinjaの二次創作を許可なく商用利用してOKです。

 

Ninja DAOの成功はパーミッションレスにあるのは間違いないでしょう。

 

まとめ:DAOとはまったく新しい未来の組織

改めて

DAOとは

世界中にいるメンバーで構成され、リーダー不在で各人が共通の目的・目標を達成するためにブロックチェーン(スマートコントラクト)で決めたルールに則り役割を果たす組織

のことでした。

 

その具体例には、ビットコインやイサーリアムがあります。

 

しかし完璧なDAOはほとんどなく、本記事で紹介した具体例のように十分に自律分散的なDAOはありません。

 

そのためDAOの現状を理解するなら下記で十分です。

暗号資産ウォレットを共有・管理するオンラインコミュニティ

(引用元:ARAGON「What is a DAO?」

 

DAOはブロックチェーンの誕生によって、形作られたまったく新しい組織です。

 

そのためリーダーのいない分散化された組織運営が可能になりました。

 

学歴や性別、収入、地位、地域などによって会社で活躍できなかった人財でも、DAOに加入し自己実現や経済的・精神的豊かさを手に入れられる可能性があります。

 

一方で新しいだけ法整備など、DAOが活躍する環境はまだ整いきっていません。

 

しかし今後はDAOが増え、あなたがDAOで働きDAOを立ち上げる日が来るのもそう遠くない未来です。

 

その日のために、DAOやブロックチェーンの動向を注視し、時代の流れに乗る準備が欠かせません。

 

本記事を最後までご覧いただき、ありがとうございました。

  • この記事を書いた人

Web3 JAPAN

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